当院では形状記憶ワイヤーの「ニッケルチタンワイヤー」をメインで使用しています。ニッケルチタンワイヤーは非常に柔らかく、効率的に歯を動かすことができます。歯を動かす矯正歯科のメカニズム上、完全に違和感や痛みを抑えることはできませんが、非常に柔らかいワイヤーなので、弱い力で歯を動かすことができ、矯正治療中のお痛みをできるだけ軽減することができます。

一般的には装置の装着や調整をした後、2〜3日は違和感や鈍痛を感じますが、それ以降は必ずお痛みは治まっていきます。お痛みの質としては物を噛んだ時に感じる鈍痛であり、ズキズキといった神経的な鋭い痛みではありません。当院では痛くて治療を中断されるという患者様はいらっしゃいませんのでご安心ください。なお痛みの感じ方には個人差があり、痛みに対して繊細な方には弱い痛み止めを処方いたしますので、お気軽にお申し付けください。

また、子供の矯正治療では取り外し式の装置を使用することが多く、少しずつ装置の調整を行っていくので、痛みを伴うことはあまりありません。

きれいな歯並びのためとはいえ、健康な歯を抜くのは、どなたでも抵抗があると思います。矯正歯科治療を前にして、歯を抜くことに不安を感じている方は多くいらっしゃいます。当院では一般歯科治療も行っているので、必要な場合は抜歯も当院内で行いますが、歯科医師としても健康な歯を抜くのは大変気が引けるものです。

当院の方針は「将来にできる限り多くの歯を残すこと」です。もちろん、歯を抜かなくても歯並びを改善できる場合には、あえて抜歯矯正をお勧めすることはありません。しかし患者様の歯とあごの大きさのバランスによっては、抜歯をしたほうがより良い歯並び・かみ合わせを得ることができ、それによって将来により多くの歯を残せる可能性が高くなることがあります。他にも、お口元とお顔のバランスや、治療期間、治療後の後戻りの心配など、様々な検討点があります。

それらを熟慮した上で、患者様にとって最もメリットがあると考えられる治療法を提案いたします。ご本人やご家族にその根拠を十分にご説明し、同意を得た上で治療を進めていきます。